【2017年05月】の記事

うまいポンズのいい話。

2017/05/20 YAOLAの日常
タグ:工場見学

どうもYAOLAのデザイン担当、フルシマです!

最初に言っときますよ。

今回の記事ね、力作ですから!

なんでかって?

 

先週1回飛ばさせてもらったからだよ!!!!

どうもすみませんです。

 

 

 

でで、本題。

 

 

みなさん、突然ですが

「うまいポンズ」

と言えば何を思い浮かべますか?

 

 

暑い時期は、冷しゃぶやカツオのたたき、冷奴…

寒い時期は、何といっても鍋もの全般など

食卓の名脇役として活躍するポンズだけに、

こだわりのある方も多いはず。

 

 

 

YAOLAでポンズと言えば、そう

「うますぎるポンズ」として全国的な知名度を誇り、

あの、やしきたかじんが愛したことでも知られる

『旭ポンズ』で有名な

旭食品さんが今週のテーマでございます。

 

 

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うますぎるポンズとして全国的に名を馳せる『旭ポンズ』

 

 

旭食品さんとは、実は同じ町内である僕、フルシマも

家庭で使っているポンズはもちろん旭ポンズ。

ポンズはおろか、うどんだしまで旭食品さんのものを愛用しています。

 

「え、旭食品にうどんだしなんてあるの?」

と思ったみなさん。

 

 

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これぜよ!!

うどんだしだけじゃなく、そばつゆもありますんぜ。

 

まぁ、このうどんだし。

これから冷たい麺類を食べる機会も多いと思うのですが、

是非とも試してほしい1本ですんぜ!

 

 

とまぁそんなことでYAOLAが

公私ともにお世話になってきた旭食品さんなのですが、

その商品づくりやどんな会社さんなのかは

意外とこれまでお話しする機会がありませんでした。

 

 

いやいやいや、そういうことこそ

いの一番に伝えてこその

「ものづくりから八尾の魅力を発信する」やろがい!

ということで、旭食品さんに取材に行きましたですんぜ!

 

 

ーーーーー

 

 

うまいポンズの朝は早い。

 

 

 

「朝の仕込み、今日は4時半からやね。

いつもはもうちょっと早いよ。」

 

 

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笑顔でそう語ってくださるこの人こそ、旭食品の高田悦司社長。

全国のポンズファンをうならせる現代のポンズマイスターである。

 

 

 

 

「その日の作るものとか量によって何時から始めるか変わるねん。

今日は、“偶然”二人休んでるから、作る量ちょっと減らしてね。」

 

 

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日本全国に卸されるヒット商品の製造量は

“偶然”の社員の欠勤によって調整される…。

え、何それ!俄然興味が湧いてしまう!!!

 

 

 

 

製造は午前中だけで、昼からは次の日の準備とかしてる。

午前中しか機械を動かさないのは昔からやね。

人もうちょっと多かったらいいけど。」

 

 

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旭食品さんの社員数は、現在15名。

その全国的な知名度に対して、驚くほど少ない。

 

 

 

 

「ウチは、朝が早い分、夕方は早く終わるよ。

女の人は8時〜16時。男の人も17時には帰ってるね。」

 

 

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17時!役所並みの定時上がり!

デザイン事務所をやってる僕からは想像もできない勤務体系です。

 

3月から8月は週休2日。

お盆を越えたあたりから忙しくなり、9月から12月は土曜日も働く。

生産量は12月が最も多い。

 

 

 

 

「ウチ、昔は冷やしつゆ作ってたから、夏場だけ忙しかってんけどね。

冬暇やから言うて、先代が考えたんがポンズ。」

 

 

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道理でうまいと思ったら、ダシの方が早かったんですねー。

でも、閑散期を埋めるはずのポンズが今や全国商品に。

 

 

 

 

「はじめはこんなに売れると思ってなかったけどね。

ウチは広告は出してないから。口コミとかで徐々に広がったんかな。

大阪から地方に転勤した人から「どこに売ってるんですか?」って

問い合わせが増えたきたりしてね」

 

 

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転勤先にはないのかと嘆く旭ポンズファン。

わざわざ問い合わせてくるってすごい。

 

 

 

 

「そうこうしてるうちに、やしきたかじんさんがテレビで言うてくれてね。

幻のポンズや言うて。

昨日売ってた店に今日行くとないとかあったから。

今みたいにスーパーとか軒並み置いたりしてなかったからね。」

 

 

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そしてたちまち人気は全国区へ。

でも、販売当初からずっと変わらないこだわりがあるそう。

 

 

 

 

 

中身がついていかなければ意味がない。

 

 

 

旭ポンズができたのは、1967年。

今からちょうど50年前。

今ほど食の安全が叫ばれていなかった時代から

安心安全にこだわってきた。

 

 

「使ってる原料の柑橘類、昆布、椎茸、鰹節、全部天然もの

原材料の生産現場には、年に何回か行くよ。

もう付き合いも長いから信頼してるけど、手抜いてへんかなってチェックしに。笑。」

 

 

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簡単に天然ものというが50年もの間

原材料を天然ものにこだわり続けるのは並大抵のことではない。

 

 

 

 

「スダチは5月くらいに花が咲くんやけど、それで大体その年の出来がわかる。

夏に雨が少ないと実が小ぶりで少し酸味がキツくなったり、

柑橘類も干ばつで収穫できない年もあったなぁ。

 

昆布も産地は北海道やけど、収穫できる日が決まってるねん。

漁場長がその日の天気見て、収穫日を決める。その日しか取られへん。

1年のうちの限られた時期にだけ取れる昆布で、ウチはその年のポンズを作る。」

 

 

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その年の天候や自然環境によって、

生産量や品質が大きく変化する天然ものの原料。

需要がある中で、

そういった不安定ともいえる生産にこだわるのはなぜか。

 

 

 

 

「原材料が全部天然やと、生産体制大きくしても仕入れが追いつかない。

先代の考えでね。

むやみに会社大きくすると、目が届かないところが出てくる。

それで中身がついていかなくなったら意味がないって。

だから目の届く範囲でやるって感じ。」

 

 

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こうやって品質にこだわるからこそ、

今日の「うまいポンズ」という地位まで上り詰めたのだろう。

うーん、ものづくり全般に言えることのような気がしますね。

 

 

 

ラベルも先代が手描きしたもの

このへんはずっと変わらないね。」

 

 

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え、このラベル創業者の手描きなの!!?

ちょっと他では見ないラベルが今や

「旭ポンズのオリジナリティを象徴する顔」となっている。

 

先代、味のことだけじゃなくて、商品全体のことを

ちゃんと分かってらっしゃる方だったんですね。

デザイナーとしてもすごい人だ。

 

 

 

 

「今どき栓抜きない家庭も多いから、

フタを引っ張ったら取れるやつに変えたら?

って言われたこともあった。

けど、フタを王冠にしてるのもこだわりがあってね。」

 

 

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王冠にするこだわり?

この旭さんのマークがキレイに見えるとか??

 

 

 

「鮮度保持が全然違うんよ。

よくスーパー行って他のポンズ匂ったら、香りがすることがあるんやけど、

それ、香りが抜けてるってこと。

王冠はそういうことがない。だから変えてない。」

 

 

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マークがキレイに見えるとか言った自分が恥ずかしい!!

なるほど、鮮度を保つためのこだわりなんですね。

 

 

 

 

「昔引っ越したばかりの人から電話あって、

家に栓抜きないんですって言われて。

お隣にでも借りてくださいって言うたら

引っ越したばかりでそんなん無理ですって…。

まぁ、結局栓抜き送ったんやけど。

 

 

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ええええええええええー!!!!!

なにその話!!!

良心的とかのレベルじゃない!!!!!!

 

みなさん、調子に乗って「栓抜き送ってください」とか言わないように!

 

 

 

「これからは時代の変化とともに

新しいことも考えていかなあかん。

家族の単位も小さいし、ご近所づきあいも少なくなってる。

そんなことも考えながら新しいことにチャレンジしたいな。」

 

 

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楽しそうにそう語る高田社長。

大切なものを守りながら、新しいことにチャレンジする。

今まで言い尽くされてきたことかもしれませんが、

そういうことが大切なんだろうって思いまし…

 

えええー!!!

旭食品さん!

半世紀ぶりに新商品出してるー!!!!!!

どんだけ有言実行なんすか!!

 

 

旭食品さんの新商品はこちら

『旭ぶっかけポンズ』

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新ジャンルのポンズを作るべく、

レシピを一から見直し、冬のイメージが強いポンズを

夏でもさっぱりいただけるように仕上げたポンズだそうです。

 

 

僕もまだ未体験なので、早速試して見たいと思います!

 

 

…最後、新商品におとすって

なんだかPR記事みたいになっちゃったけど、

まぁこれで「旭ポンズええやんけ!」って

なってくれる人がいたらYAOLA的には嬉しいワケです。

 

それではまた。

シーユー!

 

 

旭食品ウェブサイト

 

 

写真:長谷川朋也(長谷川写真事務所)

育てるフライパン

2017/05/13 YAOLAの日常
タグ:工場見学

こんにちは、枡谷です。

GWも終わり、梅雨の季節がやってくるなぁと思いながら、

少し憂鬱な今日のこの頃です。

 

今日は、僕が今、一番欲しい八尾の逸品をご紹介。

「鉄のフライパン」です!

 

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このフライパンを製造されている藤田金属さんに行ってきました。

お話いただいた藤田専務です。

 

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藤田金属さんでは、フライパン以外にも、キッチンツールをたくさん製造されています。

中でも、最近、人気なのが「鉄のフライパン」だそうで、

個人のお客様だけでなく、料亭やオムライス専門店などからのオーダーも増えているそうです。

今、一般的に家庭で使われているフライパンの大半は中国製ですが、

藤田金属さんではmade in Japanにこだわっています。

そんな会社は、もう日本に10社も残っていないそうです。

 

この「鉄のフライパン」何がすごいって?

品質はもちろんですが、自分の好きなようにオーダーできるんです!

サイズ、持ち手、色など、自分だけのオリジナルフライパンを造ってもらえるんです。

造られていく様子をご紹介。

 

四角い鉄の板から、丸く型抜きをします。

 

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ヘラ絞りという工程。フライパンの形へ成型。

この技術を使うことで、側面が薄くなり、20%ぐらい軽くなるそうです。

簡単にはマネできない高度な技術です。

 

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鉄のフライパンって油が馴染むまでは焦げ付くイメージありますよね?

でも、このハードテンパー加工をすることで、錆びにくい、焦げ付きにくくなる、

など、鉄の弱点を解決してくれます。

これは、藤田金属さんオリジナルの技術です!

 

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加工する前のフライパン。きれいな鉄の色そのもの。

 

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加工後のフライパン。色が変わり、焼きムラがあります。

一つ一つ手作業している証。味がありますね!

 

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金具などを取り付けて、仕上げを待っているフライパンたち。

 

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最後に取っ手を付けて完成です!

 

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鉄のフライパンってお手入れがめんどうってイメージありますよね?

お手入れの方法は、次の3ステップ。

①、料理後、フライパンが冷めたら水で洗う(洗剤は使用不可)

②、洗った後、空焚きをして水分を飛ばす

③、最後に油を塗って保管

 

確かに、良く使われているフッ素加工のフライパンに比べると手間かもしれません。

でも、きちんとお手入れをすることで20~30年ぐらい使用できるそうです!

 

藤田専務のお話で一番印象に残ったのが、

「鉄のフライパンは育てるフライパンなんです。手入れをすれば油が馴染んで焦げつかなくなる。

 手にも馴染んで愛着もわいてきますよ。」

って。

 

一つのキッチンツールを、こんな風に考えて使うのって素敵ですよね!

みなさんも「育てるフライパン」はじめてみませんか?

↓↓↓

オーダーサイト

http://frying-pan.jp/